凍結肩(四十肩、五十肩) Frozen shoulder
皆さんが普段使われている四十肩や五十肩のことを専門用語では凍結肩と呼ばれます。まるで肩が凍って硬くなったかのように可動域が狭くなり、痛みを伴います。英語でもそのまま「frozen shoulder」と呼ばれています。若い方でも悩みのある肩こりは肩の周囲の筋肉が過度に緊張することがきっかけで起きるのに対して、凍結肩は肩関節が炎症を起こすことで症状がでます。
- 肩をどの方向に動かしても強い痛みを生じる
- 仰向けに寝ると痛みが強くなる(夜間の痛み)
- 進行すると動かさなくても痛みが出る
などの特徴があります。
治るまでの段階と治療の注意点
- 炎症期…非常に肩の痛みが強い時期
安静にし、炎症を鎮めることが最も大切です。無理に肩を動かすと炎症が悪化します。そのため日常生活において腕をあげるような動作を極力控え、痛みが出ないような動きを心がける。炎症期から徐々に拘縮期に移行させ、その後の回復期を目指します。 - 拘縮期…痛みは楽になるが肩が硬くなる
少しずつ肩の運動を開始していく。痛みが再熱しないように注意が必要。リハビリもおこなっていく。 - 回復期…徐々に肩の硬さが改善していく
※自然回復には個人差があり、数カ月から数年の幅があります。
頸椎神経根ブロック下肩関節受動術
当院では凍結肩にお困りの方に対して外来で、頸椎神経根ブロック下肩関節受動術をおこなっています。
肩関節を支配している神経にブロック麻酔し、医師がストレッチをおこない関節内で硬くなった部分を剥離していく治療法です。
この治療のメリット
- 外来にて1時間程度の治療で済みます(車の運転はできません)
- 翌日からリハビリ治療をおこなうことで大きな可動域改善が期待できます
超音波を用いて安全に頚椎神経根をブロック注射します。
麻酔して約20分後にゆっくり肩関節をストレッチします。関節内の硬くなった部分を剝がしていきます。
翌日から肩を動かすリハビリを積極的におこないます。