尿路結石 Ureteral stones
尿路結石とは
腎臓でつくられたおしっこは尿管を通り膀胱に貯まり、1日数回尿道から体外に排出されます。この腎臓から尿道までの一連の通り道を「尿路」といいます。
体に不要になった物質(シュウ酸カルシウムなど)が尿の中で結晶化して石になったものを尿路結石と呼びます。尿路結石は結石の位置によって「腎結石」「尿管結石」「膀胱結石」と名称が変わります。食文化の欧米化もあり、罹患率(病気にかかる確率)は年々増加していると言われており、男性では7 人に1 人が、女性では15 人に1 人が一生のうちに尿路結石に罹患すると言われています。
尿路結石の原因
食生活と生活習慣が起因していると言われています。
食生活ではシュウ酸を多く含む食材を摂取していること。生活習慣では肥満、糖尿病、高血圧、ストレスなどが関連していると言われています。
また、水をあまり飲まないと尿が濃くなり結石ができやすくなるので、特に夏は十分に補給を心がけるようにしましょう。その際にアイスコーヒーなどシュウ酸が多く含まれた飲み物で水分補給をすることは控えた方が良いです。
シュウ酸を含む食材
コーヒー・紅茶・緑茶・ココア・チョコレート・コーラ・ほうれん草・たけのこ・さつまいも・レタス・ブロッコリー・なす・脂身の多い肉など
尿路結石の治療法
一般的に5mmより小さい結石は尿と一緒に自然排石する可能性が高いので、痛み止めと排石を促す薬物治療を行います。それより大きい場合や自然排石しない場合は次の治療を行うことがあります。
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体外で発生させた衝撃波を体内にある結石に集中させ、結石を細かく砕く治療法です。砕かれた結石は尿とともに尿道から排石されます。切開しておこなう治療ではありませんので、体に傷は残りません。
※当院では現在行っておりません。
経尿道的尿路結石破砕術(TUL)
尿道から内視鏡を挿入し、結石をモニターで観察しながらレーザーを用いて砕石し、摘出する治療法です。X線では映りにくい結石でも直接モニターで確認しながらおこなうため、ESWLよりも砕石率が高くなっています。近年では、内視鏡やレーザーも進歩し、安全性も向上しています。
入院を要し、周術期に尿路カテーテルが必要になりますが、自然排石を待たずに結石を回収できるメリットがあります。