マイコプラズマ肺炎 Mycoplasma Pneumonia
マイコプラズマ・ニューモニエという細菌の一種による非定型肺炎のひとつです。
非定型肺炎とは細菌性肺炎の治療で使われるβラクタム系と呼ばれる抗生物質がターゲットとする「細胞壁」をもたないため、特別な抗生物質で治療する必要があり、症状なども細菌性肺炎と異なる特徴があります。
その中でもマイコプラズマ肺炎は4年周期で流行するため「オリンピック肺炎」とも呼ばれます。令和6年時は夏頃から感染者が増加しニュースでも大きく取り上げられました。
症状と特徴
一般的な肺炎と同じく、初期症状として発熱や倦怠感、頭痛などが現れ、発症後3〜5日で咳の症状が出るようになります。咳は次第に強くなり、解熱後も3〜4週間続きます。また、中耳炎や髄膜炎などの合併症にも注意が必要です。
感染から発症までの潜伏期間が2 ~3 週間と比較的長く、症状が出ても風邪だと思って出歩く人も多いため、「歩く肺炎」とも呼ばれています。5~25歳くらいまでの子どもや若年者に発症しやすい病気です。
治療法
一般的な肺炎に対してよく使用する、ペニシリン系、セフェム系といった抗生物質は効果がなく、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系といった抗生物質で治療を行います。